60日線は大事な線です。私は入る前のチェックにも、この線を入れています。ただ、この線が答えている質問は、ほかの3本と違います。
私が日足で判断に使う移動平均線は、4本です。100日線・60日線・20日線・3日線です。週足の100週線を日足に写した500日線も出していますが、それで入る・入らないは決めません。
4本を同じ種類の線として見ると、線が増えるほど迷います。どれを信じればいいのか、決められないからです。実際には、4本はそれぞれ別の質問に答えています。
100日線は「どっち向きか」。20日線は「入っていい側か」。3日線は「今か」。60日線は「どういう場所か」。
この記事では、4本を1本ずつ見ていきます。60日線だけは、向きでも時刻でもなく、場所に答えています。

100日線は、どっち向きかに答えます
100日線は、日足で一番遅い線です。週足の20週線と、ほぼ同じ期間を平均しています。
価格が100日線の上にいれば、私は買いだけを探します。下にいれば、売りだけを探します。つまり100日線は、その銘柄で探す向きを1つに絞る線です。
向きが決まっていないと、同じチャートの上で買いの理由も売りの理由も見つかります。100日線は、その片方を最初に消してくれます。

20日線は、入っていい側かに答えます
20日線は、もっと近い線です。
買うなら、価格は20日線の上にいる必要があります。売るなら下です。価格が反対側にいる間は、私は入りません。
100日線が「どっちを探すか」を決めるなら、20日線は「今その側に立っているか」を決めます。向きが買いでも、価格が20日線の下に沈んでいる間は入りません。
3日線は、今かどうかに答えます
3日線は、一番速い線です。
ローソク足1本の実体の半分以上が3日線の上に出た時(売りなら下に出た時)、私は構えます。
ただし、この1本で入るわけではありません。入るのはそのあとです。1時間足で押しが止まり、跳ね返ったあといちばん近くにできた小さな山を価格が抜けた一点で入ります。
なので3日線は、構え始める時刻を教える線です。入る場所までは教えません。
60日線は、どういう場所かに答えます
残った1本が、60日線です。
私は「100日線も大事だけど、60日線もかなり大事だ」と口にしたことがあります。理由を整理すると、この線の傾きで今いる場所の性格が分かるからでした。
60日線が寝ていれば、価格は横ばいの箱の中にいます。60日線が傾いていれば、価格は流れの中にいます。そう口にした時に見ていたチャートでは、60日線が2か月ほど上にも下にもほとんど動いていませんでした。ほぼ水平でした。

箱の中なのか、流れの中なのか。これが分かると、入ったあとにどこまで持つかの見当が付きます。
箱の中では、前に価格が止まった高値が少し上にあります。なので、そこで止まりやすくなります。流れの中なら、そういう高値は遠くにあります。なので、遠くまで持てる可能性があります。

「大事なら、60日線も揃うまで待てばいい」
60日線が大事なら、60日線も狙う向きに傾くまで入らなければいい。そういう反論があります。
そこで60日線の条件を足した場合と足さない場合を、過去に入る候補になった場面で比べました。60日線の条件を足すと、入る回数は減ります。
ただし足したことで消えた場面と残った場面を比べると、入ったあとの伸び方はほとんど同じでした。つまり入る回数だけが減って、1回ごとの結果は良くなりませんでした。
理由は、60日線が答えている質問にあります。線の中で、入るかどうかを直接決める質問は「どっち向きか」「入っていい側か」「今か」の3つです。
向き・立ち位置・時刻です。60日線だけは、そのどれにも答えていません。答えているのは、場所です。場所の性格がいちばん効くのは、入ったあとの持ち方です。
比べたのは、60日線の傾きを条件に足した場合です。傾きではなく、価格が60日線のどちら側にいるかは、入る前のチェックに残しています。
流れに乗って入る時に、価格が60日線の反対側にいたら、その場所では入りません。見ておくと、今どこにいるかを意識できるからです。大事な線であることと、ほかの3本と同じ質問に答えていることは別でした。

4本に、4つの質問
100日線は、探す向きを決めます。20日線は、今その側に立っているかを決めます。3日線は、構え始める時刻を知らせます。ここまでの3本が、向き・立ち位置・時刻を決めます。
60日線は、今いる場所に名前を付けます。箱の中か、流れの中か。入る前には場所の確認として見て、入ったあとはどこまで持つかを考える時に、この名前を使います。
線を増やすと迷うのは、全部の線に同じ質問をしているからでした。1本ずつ別の質問を渡すと、見る順番が決まります。向きを見て、場所を見て、立ち位置、時刻の順に見ます。
この話も、私の言葉だからと信じる必要はありません。自分のチャートで、60日線だけを消してみてください。今いる場所が箱か流れか、すぐに言えるかを確かめてみてください。
次に読む
——同じ考え方を、週足の2本でやった話。
——本記事の20日線を、もっと深く書いた話。
線を見る順番を含めた全体像は、無料の一冊にまとめています。


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本記事は私の経験と考え方の共有であり、特定の金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。
投資には元本を割り込む損失のリスクがあり、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。



