流れの変わり目だけは、逆を取る。ただし条件は、ひどく厳しい

順張りに徹すると言っておきながら、
私はたったひとつだけ流れに逆らう瞬間を持っています。

今日はその「例外」の話を正直に書きます。

なぜわざわざ書くか。この例外は、私が長く負け続けた場所だからです。

逆を取る誘惑は強い。
下げ続ける価格を見て「そろそろ底だ」と、逆に張る。
稀に決まった一撃の鮮やかさが忘れられず、外しても外してもまた底に手を伸ばす。

まだ勢いの止まらない流れの正面に素手で立ちはだかっては、まとめて轢かれる。私はその誘惑に、何年も飲み込まれていました。

だから今、私が逆を取るのは流れの転換のいちばん初動、ただ一点だけ。

しかも条件をこれでもかと重ねて、
ほとんどの「逆張りしたい場面」を自分の手で潰してから入ります。

例外を、例外のまま暴れさせないための厳しい条件の話です。

目次

逆を取っていいのは、流れが「伸びきった終点」だけ

まず、大前提を一つ置きます。

私が逆らっていいのは、大きな流れが一方向にさんざん伸びてもう伸びきった——
その終点に来た時だけです。

逆らう相手、つまりそれまでの一方向の流れが誰の目にもはっきりしている場所です。

逆に向きの定まらない揉み合いの中では、私は逆を取りません。
逆らう対象そのものが無いからです。

方向が定まらない場所は、順張りでも逆張りでも、触らない。
——これは、私の戦い方全体を貫く一本の線です。

その「伸びきった終点」で、流れが本当に向きを変える生まれたての瞬間だけ。
ここでだけ、私は逆を取ります。

初動を取れれば、利幅は大きい。
けれど生まれたての流れは足元が不安定で、本物かただの一時的な戻りか見分けにくい。

「大きく取れる」と「いちばん難しい」が、同じ場所に同居している。

だから九割以上は順張り。逆を取るのは全体のごく一部——残りのわずかな枠だけで、主役には決してしません。

※ その九割の側——私が主役に据えている順張りの一点は『勝てる瞬間は、たぶん1つしかない』に書きました。

ただの戻りを狙う買いか、転換の初動を狙う買いか。下げてきた所を買う、という点はどちらも同じです。

ただの戻りを狙う買いは、「下げすぎた。そろそろ戻る」という値ごろ感だけで入れます。根拠は、チャートのどこにもありません。
転換の初動を狙う買いは、価格が底の形を描いてから入ります。週足の価格が、いちばん短い平均線を抜け返す最初のサインも見てからです。入る理由を、チャートの上で指させます。

中身は正反対です。分けているのは、証拠が揃うまで待てるかどうかだけです。

曖昧なら、ためらわず全部見送る

その狭い枠で入るために私はいくつもの関門を重ね、ひとつでも曖昧なら見送ります。

マニュアルではなく、条件の「例」として挙げます。
(細かい入り方は別記事『相場を追うのをやめて、罠を仕掛けて立ち去る』に譲ります)

ひとつ。
価格が、多くの参加者が強く意識する前回の大きな高値・安値まで届いていること。
そこまで来て初めて、反転する土台ができる。
手前で入るのは、届く前に反転を当てにいくことです。

ひとつ。
そこで谷を2つ・山を2つ作るような、転換の構造が価格自身に現れること。
一度落ちて、跳ね返ってもう一度落ちて、前ほど下がりきらずに止まる——
いわゆるダブルボトム(売りならダブルトップ)です。
価格が「もう下げたくない」という形を、自分で描くまで待つ。

ひとつ。
向きが変わった点火を、はっきり確認できること。
週足を見ます。底の形を日足で描いたなら、週足の価格がいちばん短い移動平均線(4週線)を下から上へ抜けるまで待つ。天井の形なら上から下へ。これが点火です。
その最初のサインがはっきり出るまでは、
まだ入りません。

ひとつ。
形ができた後も、形を描いた日足から二つ下の1時間足でネックライン——押しのあと、いちばん近くにできた小さな山のことです——を抜けるまでは、入らないこと。
抜けた瞬間に作動する注文を先に置き、
抜けなければ何も起きない。
最後の引き金まで、相場に引かせます。

この複数の関門を全部くぐった時だけ、私は逆を取ります。
ひとつでも欠けたら、その逆張りは見送りです。

こう書くと「そこまで重ねたら、逆を取れる場面はほとんど来ないのでは」と思うかもしれません。そのとおりです。来なくて構いません。逆を取るのは全体のごく一部と、先に決めているからです。

ここまで関門を重ねると、入るのが遅くなりそうに見えます。ただ、私は転換が正式に決まるのを待っていません。

下げの流れが上に転じたと言える線は、チャートの中に二本あります。
遠い一本は、下げの途中でできた大きな戻り高値です。ここを上に抜ければ、誰の目にも転換が確定します。
近い一本が、最後の関門のネックラインです。

遠い線を待つと、抜けた時には値段がもう走った後です。なので私は関門を全部くぐった上で、近い線を引き金にします。

近い線で入ると、外れることもあります。だから損切りも近くに置きます。確定を待たない代わりに、外れた時の傷の大きさを先に決めておきます。

関門が揃わない逆張りは、流れの正面に立つだけ

この関門が揃わない逆張りを、私は「まだ止まらない流れの正面に素手で立つようなもの」だと思っています。
だから、手を出しません。

前回ラインに届いていないのに、値ごろ感だけで「安くなった」と買う。
転換の構造も出ていないのに、下げ疲れただけで「そろそろ」と賭ける。
点火も確認せず、祈りで逆を張る。

——これらは全部、私がかつて口座を溶かした手口そのものです。

たまに当たるから、なお質が悪い。

なぜ、ここまで条件を厳しくするのか。
理由は、私自身が信用ならないからです。

逆を取って一度大きく当てると、次の中途半端な場面でもその記憶が「いけるはずだ」と思わせてくる。
当たった快感は、外した痛みよりずっと長く尾を引きます。

だから私は自分の判断を信じる代わりに、
4つの条件を信じることにしました。条件は、私の外側にあるからです。

主語を、意志から条件へ移す

私が見送るのではない。条件が満たないから、入れない。

主語を、自分の意志から条件のほうへ移す。
意志は揺れますが、満たすか満たさないかは揺れないからです。

逆を取るのは私の戦い方の主役ではなく、
厳しい条件を全部くぐったごく一部の例外です。

これを忘れれば、私はまた伸びきる前の流れに逆らいにいきます。だから、この記事は私自身への戒めでもあります。

あなたがもし、逆張りの快感に心当たりがあるなら——
その快感こそが、いちばん高くつくと先に言っておきます。

逆を取る時の、要点
  • 逆らっていいのは、流れが一方向に伸びきった終点だけ。揉み合いでは逆を取らない
  • 関門は四つ。前回の大きな高値・安値への到達/転換の構造/点火の確認/下の足のネックライン抜け
  • 一つでも曖昧なら、その逆張りは見送り
  • 主語を自分の意志から条件へ移す。意志は揺れるが、満たすか満たさないかは揺れない

——ただしここまで書いた私の関門も、あなたのチャートで確かめるまでは借り物にすぎません。

あなたが過去に逆を取って轢かれた場面を、一つ思い出してみてください。そして、そのチャートを開く。

前回の大きな高値・安値に本当に届いていましたか。転換の構造は出ていましたか。点火は確認できていましたか。ネックラインを抜けてから入っていましたか。

例外を、主役にしてはいけません。

轢かれたチャートを開いてみて、四つの関門のどれが欠けていたか。見つけた答えは、記事末のご案内から無料の一冊を受け取ると届くメルマガに、返信で送ってください。個別のお返事はしていません。でも、全部読んでいます。


次に読む

——関門①「大きな高安への到達」の土台になる話です。

——この関門を全部くぐった後でも、免除されない線が1本だけ残ります。

この例外の外で、私が九割を賭けている順張りの本体は何か。どの足で何を見て入るのかを、チャート設定も隠さず一冊で見せています。

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本記事は私の経験と考え方の共有であり、特定の金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。
投資には元本を割り込む損失のリスクがあり、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。


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この記事を書いた人

トレードの本質を語ります。聖杯も未来を言い当てる方法もありません。あるのは相場の流れを見極め、優位性が生まれるまで待ち、間違えたら撤退するという地味な積み重ねだけです。私を信じる必要はありません。すべてご自身のチャートで確かめてください。

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