「週足トレーダーの方ですか?」
——たまに、そう聞かれます。
違います。
私が実際に注文を置くのは、1時間足。
週足で入って、何ヶ月もただ寝かせておく——そういう取引ではありません。
(入るのは短い足。ただし波が生きている限り、数週間持つことはあります)
でも、方向はいつも週足で決めます。
矛盾しているように聞こえるかもしれません。
しかし、これにははっきりした理由があります。
週足の中にその下の足が——日足も、4時間足も、1時間足も、15分足も、ぜんぶ入っているからです。
今日はその話をします。
たぶんこれが腑に落ちると、チャートの見え方が変わります。

あなたの15分足は、週足の“480分の1”でしかない
足はバラバラに存在しているわけではありません。
大きな足の中に、小さな足がきっちり収まっています。
- 週足、1本 = 日足、5本(平日5日)
- 日足、1本 = 4時間足、6本
- 4時間足、1本 = 1時間足、4本
- 1時間足、1本 = 15分足、4本
掛け算していくと——
週足たった1本の中に、15分足がなんと480本。
4時間足なら30本、1時間足なら120本も入っている計算になります。

つまり、あなたが今じっと睨んでいる15分足の1本は、
週足という大きな1本の、ほんの480分の1の“かけら”なんです。
マトリョーシカと、同じです
ロシアの人形、マトリョーシカを思い浮かべてください。
いちばん外側の大きな人形を開けると、中に少し小さい人形。
それを開けると、また小さい人形。さらに中にもっと小さい人形——。
同じ形が、小さくなりながら何重にも入っている。
相場の足も、まったく同じです。
いちばん外側が週足。
その中に、日足。その中に、4時間足。その中に、1時間足。その中に、15分足。
——全部同じ“値動き”を、解像度を変えて見ているだけなんです。
別々のものではありません。
小さな足の“上昇”は、たいていただのさざ波です
ここがいちばん大事なところです。
15分足だけを見て、「お、上がってる!」と感じる。
でも、その“上がっている”は——
週足という大きな流れの中の、ほんの小さなさざ波かもしれない。
川を想像してください。
大きな本流(週足)が、ゆったりと下流へ流れている。
その水面には小さな渦や、逆向きのさざ波(15分足)も立っています。
そのさざ波だけを見て、「こっちに流れてる」と思って飛び込むと——
気づいたときには、本流にごっそり持っていかれている。
私が勝てなかった頃に、何百回もやっていたことです。
小さな足の一瞬の動きを「流れ」と勘違いして、本流に逆らっていた。

だから「方向は週足、入るのは小さい足」
ここまで来ると、最初の“矛盾”が矛盾でなくなります。
週足を、ひとつ開く。
するとその中に入っている日足も、4時間足も、1時間足も、15分足も——
全部の“向き”が、いっぺんに決まります。
週足が「上」を向いていれば。
その中の小さな足は、基本すべて上目線で見ればいい。
あとは小さな足で「いつ乗るか」、タイミングだけを計る。
- 方向を決めるのが、週足(大きな流れ)。
- タイミングを計るのが、1時間足(その中の細部)。
別々の仕事を、別々の足にやらせているだけ。
だから「方向は週足、入るのは小さい足」はまったく矛盾しないんです。
週足を一目見れば、その中の480本の15分足すべてを買いで見るか売りで見るかが一度に決まります。
これ以上に効率のいい見方を、私は知りません。
※ その大きな流れが、誰の何でできているのか——値段の正体の話は『私の意見は、一票にもならない』に書きました。
さらに、面白いこと(知らなくても大丈夫)
おまけです。興味がなければ、読み飛ばしてください。
実は、この入れ子はただの“イメージ”ではありません。
週足の20本平均線と日足の100本平均線は、ほぼ同じ場所を走る線です。
週足1本=5日ぶん。だから 20×5=100 で、まったく同じ期間を均していることになります。
同じ理屈で、月足の5本平均線もこの線とほぼ重なります。
だから「週足を見る」ことは、同時に「日足を見ている」ことでもある。
3つの足がほぼ同じ1本の線を、解像度を変えて眺めているだけ——。
ここまで来ると、もう「どの足を見るか」で迷わなくなります。
全部つながっているんですから。

- 週足1本の中に、15分足は480本、1時間足は120本入っている
- 足は別々のものではなく、同じ値動きを解像度を変えて見ているだけ
- 小さな足の「上昇」は、大きな流れの中のさざ波かもしれない
- 方向を決めるのが週足。タイミングを計るのが1時間足
- 週足の20本平均線と日足の100本平均線は、ほぼ同じ場所を走る線
今日からできる、一手
小さな足を開く前に。
必ず一度、週足を開いてください。
そして声に出すか、紙に書く。
「週足は——上か。下か。それとも、どっちでもないか」。
その向きと、逆を示す小さな足のサインは。
今日からは、全部無視していい。
それだけで、本流に逆らう取引がごっそり減ります。
私の口座が静かに減らなくなった最初のきっかけも、これでした。
——でも。
ここまで読んでも、私の言葉を信じないでください。
「週足の中に、すべてが入っている」。
こんなもの、私に言われてなるほどで終わらせては意味がない。
明日の朝、あなた自身のチャートで週足を一度開いてください。
そしてその中に本当に日足が、4時間足が、1時間足が入っているのか。
小さな足の“上昇”が本当に、大きな流れのさざ波でしかなかったのか。
——あなたの目で、確かめてください。
答えは私の言葉の中ではなく。
あなたのチャートの中にしか、ありません。
私たちは、いつだって大きな流れの中にいます。
私はこの480分の1のさざ波を流れだと思い込んで、何度も本流に逆らっていました。それが口座の減り方の正体でした。
次に読む

——週足の向きを、感覚でなく線で受け取る手順です。

——では、なぜ大きい足が勝つのか。注文の「残り方」から説明した話です。

——入れ子の四枚を、一回の取引として上から順に降りていく実況です。
週足で向きを決めたあと、480本のかけらのどこで乗るのか。入り方から設定まで、一冊に通して書きました。

【ご確認ください】
本記事は私の経験と考え方の共有であり、特定の金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。
投資には元本を割り込む損失のリスクがあり、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。

