移動平均線がしっかり上を向くのを、何日も待っていました。
飛びつかないように。だましに刈られないように。
教わったとおり、確かになるまで待ってから買う。
やっと向いた日に買って、その週の高値がそこでした。
向きは合っていたんです。確かに、上を向いていました。
それでも遅れていた。何年も、その理由が分かりませんでした。
私が見ていたのは、日足に出ている短いほうの移動平均線(20日線)でした。
見ていなかったのは、同じ画面の中の線ではありませんでした。
ひとつ大きな足を開いたところにある、もっと長い線(週足の20週線)でした。

私が見分けているのは、この二つです
短期の線が上を向く。この形は、いつも同じ顔をしています。
でもその下にある長い線がどこまで上げたあとなのかで、意味がまるで変わります。
難しい判定をしているわけではありません。線の絵が、どちらの形をしているかを見ているだけです。
ひとつ目。長い線が下がってきて、横ばいになってそこから上がっていく形。
下げが止まって、平らになってまた上を向く。この順番で線が動いているとき、その上向きにはまだ先があります。伸びしろは、これから作られるところです。ただし、買っていいのは価格がその長い線の上にいる時だけです。線が下げ止まって寝たから買う、ではありません。
ふたつ目。もう上げ切ったあとに、短期の線だけが伸びようとしている形。
長い線はさんざん上げたあとで、寝ています。その上で短期の線だけが、もう一度上を向く。形はひとつ目とそっくりです。でも上の流れが出し尽くしているので、伸びようとしても伸びきれません。
私が何年も買っていたのは、後者でした。
線が上を向いたという一点だけを見て、その線がどれだけ上げたあとなのかを見ていなかったからです。
※ 線が「並び切った後」に買うと何が起きるかは『パーフェクトオーダーが揃った時、私はもう乗っています』で解剖しています。

角度は、勢いの残量だった
なぜ長い線の角度で、そこまで変わるのか。
移動平均線は、一定期間の終値を平らにならしたものです。
線が角度をつけて上がっている間は、新しい終値が過去の平均より高い場所で確定し続けているということ。買いたい人が、買いたい値段を上げ続けている状態です。
その角度が緩んできた。
つまり、新しい終値がもう伸びていない。
角度は、その流れに残っている勢いの量でした。
緩んできた線を見ながら「まだ上を向いているから大丈夫」と自分に言い聞かせていた頃の私は、残量ではなく向きだけを見ていました。向きは、ゼロになる直前まで「上」のままです。だから向きだけ見ていると、最後まで気づけません。

「遅い」は、「逆に張れ」ではない
ここを間違えると、もっと高くつきます。
昔の私は、落ちてくるものを素手で掴む人間でした。仮想通貨で2000万を溶かしたのは、その癖のせいです。だから「もう遅い」と分かるようになった後も、頭に浮かぶのはいつも「じゃあ、逆だ」でした。
遅いは、反対が正しいという意味ではありません。
ただ「この波では、もう割に合わない」というだけです。
終わりかけを買うのも、終わったと決めつけて売るのも、私にとっては同じ賭けでした。実際、二度とも切られています。賭けの向きを変えただけだったからです。
やることは、逆に張ることではありません。
次の土台が育つまで、手を出さないことです。
まとめ
- 短期の線が上を向いても、それだけでは何も分からない
- 見ているのは、長い線がどれだけ上げたあとなのか
- 下げ止まって横ばい、そこから上がる形にはまだ先がある
- さんざん上げたあとの上向きは、伸びようとしても伸びきれない
- 「遅い」は「逆に張れ」ではない。次の形を待つだけ
今日からできる一手
この記事も、疑ってください。
確かめる方法があります。
ご自身の履歴から、「待ってから買ったのに負けた」トレードを三つ並べてください。
そのとき長い線は、まだ角度を持っていましたか。それとも、もう寝ていましたか。
そこに答えが無かったなら、この記事は捨ててください。
私の言い分は、あなたの過去の一枚に勝てません。
三つ並べて、線は立っていたか、寝ていたか。確かめた結果を、メールの返信で送ってください。個別のお返事はしていません。でも、全部読んでいます。(受け取っていない方は、下のご案内から。)
土台を確かめた先には、まだ問いが残ります。買っていい場所だと分かったとして、実際に手を伸ばす一点はどこなのか。その答えは『勝てる瞬間は、たぶん1つしかない』に置いてあります。
次に読む

——線の向きを「当てにいかない」という、この記事の一段手前にある考え方です。

——短期の線だけを見つめてしまう癖は、見る回数が増えるほど強くなります。

——土台を見る目を、いちばん大きな足に当てるとこうなります。
これから伸びる土台を見分けたあと、買っていいのはどの一点か。長い線の引き方も含めて、無料の一冊でそのまま確かめられます。

【ご確認ください】
本記事は私の経験と考え方の共有であり、特定の金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。
投資には元本を割り込む損失のリスクがあり、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。

