景気のいい話を期待させて申し訳ないのですが、今日は勝ち方の話をしません。退場しない話をします。
地味です。でも私の型のいちばん深い土台はチャートの読み方ではなく、この算数でした。

期待値は「回数」を前提にした約束
私の型は全部の勝負に勝つ設計ではありません。勝ったり負けたりを繰り返しながら負けを小さく一定に揃え、勝ちをその何倍かで取る。トータルで残る、という設計です。
この設計には一つだけ前提があります。回数です。
たとえば「10回に4回しか当たらないが、当たれば外れの3倍もらえるくじ」があるとします。数字の上では引き続ければ増えていく計算です。ただし、10回や20回では外れが偏って続くことが普通に起きます。100回、200回と引いた人にだけ計算どおりの結果がゆっくり姿を現す。
つまり期待値——1回あたりの平均の損益——というのは、「続けられた人」にだけ支払われる約束です。途中で資金が尽きた人には一円も支払われません。どれだけ正しい型を持っていても、です。
私は一度、その「途中」で止まった側にいます。FXの前、仮想通貨で。「戻るはずだ」と注ぎ足したお金ごと、銘柄が消えました。あの日尽きたのは資金ではなく、回数でした。
2%という数字の正体
私は一回の取引で口座の2%までしか失わないと決めています。どの通貨でも、どんなに形が良くても一律です。
なぜ2%なのか。根性や好みの数字ではなく、連敗の算数から来ています。
機械的に計算した例を挙げます。毎回その時点の残高の2%を失う負け方で10連敗すると、口座は約18%減ります。減るのはそのつど残った残高に対してなので、単純な20%減にはなりません。8割強が残る。まだ普通に戦えます。ところがこれを5%にすると、10連敗で口座は約4割減ります。半分近く消えた残高を見た人間が何を始めるかはわざわざ言葉にするまでもありません。「取り返す」が始まります。ルールの外の、大きな一手が。
2%という数字は「連敗しても、私の判断力が壊れない深さ」の話なんです。口座を守っているようでいて、本当に守っているのは判断の方です。
負けの幅を先に固定して、そこから量を逆算する実務の手順は『「自信があるから多め」が、口座を殺す』に書きました。

退場だけが、取り返しのつかない負け
私は負けを費用だと考えています。ルールの中の負けは型を回すための仕入れ値。記録に残して、次の打席に立てばいい。
ただし一つだけ費用にならない負けがあります。退場です。
退場は金額の問題ではありません。試行が止まることが問題です。期待値は回数にしか宿らないので、回数が止まった瞬間それまでに払った授業料は回収の道ごと消えます。しかも腕は打席に立った回数でしか育ちません。退場は資金と成長を同時に止める、唯一の負けです。
だから私の資金管理の優先順位ははっきりしています。大きく勝つことより、長くいること。

- 期待値は「続けられた人」にだけ支払われる約束。途中で尽きた人には一円も支払われない
- 一回の取引で失うのは口座の2%まで。どの通貨でも、どんなに形が良くても一律
- 2%なら10連敗しても口座は約18%減。5%だと約4割減り、そこから「取り返す」が始まる
- 2%は「連敗しても、私の判断力が壊れない深さ」。守っているのは口座より判断のほう
- 費用にならない負けは退場だけ。試行が止まると、資金と成長が同時に止まる
明日も打席に立てること
派手な勝ちは要りません。
一回ごとの結果に一喜一憂しない、というのは精神論に聞こえますが私にとっては算数です。百回続けた先にしか、私の型の答えは出ない。だから今日の一回は百分の一。
明日も打席に立てること。
私が守っているのは、結局それだけです。
——最後に、電卓で終わる作業を一つ。
いまの口座残高の2%を計算して、その額を紙に書いてください。それが、あなたが一回の負けで失っていい上限です。直近の負けトレードを開いて、その上限を超えていたのが何件あったか数えてください。出てきた件数を、記事末のご案内から無料の一冊を受け取ると届くメルマガに返信で送ってください。ゼロ件だったという報告も歓迎します。全部読んでいます。
次に読む

——2%を実際の注文量に落とす、逆算の手順です。

——「当たる回数」ではなく「残る仕組み」で見る物差しの話です。

——回数を守れたとして、次は「何割当てれば残るのか」の地図です。
その百回で私が繰り返している型の中身——どこを待ち、どこで切るのか。設計図を、チャート設定込みで無料の一冊にしてあります。

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本記事は私の経験と考え方の共有であり、特定の金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。
投資には元本を割り込む損失のリスクがあり、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。

