「様子見」と「見送り」は、別物

宣言から入ります。私は「今日は様子見です」という言葉を使うのをやめました。

かっこいい言葉なんです、様子見。冷静で、慎重でプロっぽく聞こえる。私も勝てなかった頃、よく使っていました。でもあるとき気づいてしまいました。私の「様子見」はそのほとんどが判断ではなく判断の先送りだったことに。

似た顔をした「見送り」という言葉があります。この二つは外から見るとどちらも「入っていない」で同じです。中身は正反対です。今日はその区別の話をします。

目次

様子見には、待っているものの名前がない

私の様子見の実態はこうでした。

チャートを開く。なんとなく怪しい。なんとなく行きそうでもある。決めきれないので「様子を見る」ことにする。でも気になるので、画面は閉じない。30分後にまた見る。少し動いている。また決めない。そして数時間後、価格が走り出した瞬間「置いていかれる」という焦りだけで飛び乗る——。

様子見の何が問題か。何を待っているのか、自分で言えないことです。名前のないものを待っている時間は判断を熟成させません。ただ、感情の圧力を溜めていくだけです。溜まった圧力の出口があの最悪のタイミングの飛び乗りでした。

見送りは、「不成立」という名の判定

一方、いまの私の見送りはこういうものです。

入る条件が先にあります。大きな流れの向き、一度戻ってできた谷が深く割れずに耐えたか、入り口の形。チャートを見て、条件に照らして揃っていない。だから入らない——終わり。

これは保留ではなく、判定です。試合でいえばボール球を見逃したのと同じで、「打たなかった」という立派な一つのプレーです。だから見送った後に画面に残る理由がありません。閉じられます。

もう一つ大事な違いがあって、見送りには続きが言えます。「押しが深く割れたから見送り。もう一度形が整い直して次の押しが耐えたら、また候補」。様子見には出口がありませんが、見送りには次の条件があるんです。

「もし〜なら入る」まで言えたら、それはもう待ち伏せ

そして見送りの先にもう一段上の形があります。

条件のうち残りひとつだけが未成立——たとえば、形はできつつあるが最後の一線をまだ抜けていない。この場合、私は「もしここを抜けたら入る」という注文(先に置いておく逆指値=罠)を仕掛けて立ち去ります。抜ければ自動で乗っていて、抜けなければ何も起きない。

つまり私の相場との関わり方は実は3つしかありません。条件不成立なら見送り、あと一歩なら罠を置いて待ち伏せ、成立していたら乗っている。どこにも「様子見」の席がない。あの宙ぶらりんの時間ごと設計から消してしまいました。

様子見と見送りの分かれ目
  • 様子見の問題は、何を待っているのか自分で言えないこと
  • 名前のないものを待つ時間は判断を熟成させず、感情の圧力だけを溜めていく
  • 見送りは保留ではなく判定。条件に照らして揃っていないから入らない、で終わり
  • 見送りには続きが言える。「次の押しが耐えたら、また候補」
  • 相場との関わり方は3つだけ。見送り/罠を置いて待ち伏せ/乗っている

最後に、簡単な検査をひとつ置いていきます。次にチャートを閉じるとき、一行だけ書いてみてください。「何が起きたら、入るのか」。すらすら書けたなら、それは見送りです。書けなかったなら——それは様子見で、たぶん明日も同じ画面の前に座ることになります。

書けたその一行は、(記事末のご案内から)無料の一冊を受け取ると届くメルマガに返信で送ってください。個別のお返事はしていません。でも書けなかった場合は、その事実をそのまま送ってください。全部読んでいます。


次に読む

——見送りを「我慢」から「自信」に変える話の本編です。

——見送りより手前の話。そもそも打席ですらなかった日の記録です。

——「入らない」が苦しかった頃の、病気と薬の記録です。

——見送った場面を数え直すと、悔しさの中身が変わる話です。

「何が起きたら、入るのか」——私の答えは一行で済みます。その一行の中身を、判定に使うチャート設定ごと無料の一冊で説明しています。

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本記事は私の経験と考え方の共有であり、特定の金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。
投資には元本を割り込む損失のリスクがあり、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。


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この記事を書いた人

トレードの本質を語ります。聖杯も未来を言い当てる方法もありません。あるのは相場の流れを見極め、優位性が生まれるまで待ち、間違えたら撤退するという地味な積み重ねだけです。私を信じる必要はありません。すべてご自身のチャートで確かめてください。

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