週足を開いて「上だな」と思う。日足を開いて「まだ上だ」と思う。4時間足を開いて「お、下げてる」と思う。1時間足を開いて「戻してきた、いけるかも」と思う。
——四回、同じことをしていました。
四枚とも、私は同じ質問をしていたんです。
「これから上がりますか、下がりますか」。
四人に同じ質問をして答えが揃った日だけ入って、揃わない日は画面の前で腕を組んでいました。
いま、私は同じ四枚をまったく違う使い方で見ています。四枚に、四つの別々の仕事が割り振ってある。週足の仕事、日足の仕事、4時間足の仕事、1時間足の仕事。全部違います。だから答えが揃うのを待つ必要がない。順番に降りていくだけで、一つの取引が組み上がります。
今日は、私の一回の取引をいちばん上から順に降りながら実況します。

週足の仕事:方向を決める。それだけ
私の週足は、月曜から金曜まで一度も仕事をしません。
週足の仕事は日曜日に終わっています。開いて高値と安値がどちらへ切り上がっている(あるいは切り下がっている)かを見て、「この通貨は今週買いだけ」「この通貨は今週売りだけ」「この通貨は今週触らない」——三つのうちどれかを書きます。それで週足の出番は終わりです。
平日、私は週足をほとんど開きません。開いても判断は変えません。数時間で覆るような決定を、週足はそもそもしていないからです。
大事なのは、週足には「いつ入るか」を絶対に聞かないということです。聞いても答えられません。週足の1本は5日ぶんの値動きを1本に潰した絵で、その中で価格がどこを何回往復したかはもう消えています。入る場所を週足に探すのは、地図を虫めがねで見て玄関の鍵穴を探すようなものです。
方向だけ。それが週足の全仕事です。
日足の仕事:この取引の「始まり」を決める
次に日足を開きます。日足に聞くのは方向ではありません。「始まっていいか」です。
私が待っているのは、日足の20本の移動平均線と価格がいったん寄ってまた離れ始める瞬間です。トレンドの途中で価格が一度その20本の線のほうへ戻ってきてひと息ついて、また元の方向へ走り出す——あの入れ替わりの一点。
ここが、この取引の起点になります。日曜に決めた方向といま離れ始めた向きが一致していれば、その通貨は「始まった」。一致していなければ、どれだけ形が綺麗でもそれは別の誰かの取引です。

注意したいのは日足が始まっても、まだ何も起きていないということです。始まったのは私の準備であって、注文ではありません。ここで買ってしまうのが、昔の私でした。「動き出した、乗り遅れる」と思って成行を押す。押した瞬間に価格が止まる。あれは、幕が開いた瞬間に舞台へ駆け上がっていたということです。
4時間足の仕事:演じる。私は何もしない
日足が起点を作ると、その中身は4時間足に現れます。
4時間足は動き出して(一つ目)、一度だけ押し戻して(二つ目)、そこから本格的に走る(三つ目)——エリオット波動でいう推進波の1・2・3を目の前で演じ始めます。
この時間、私の仕事は見ることだけです。注文は出しません。ラインも引きません。
ただし、たった一つだけ目でやらなければいけない仕事があります。二つ目の押し戻しが、耐えたかどうか。ここだけは機械にも他人にも任せられません。
見るのは二つです。4時間足の直近の安値を切り上げて止まったか(買いの場合)。そして、4時間足の18本の平均線を深く割り込まずに済んだか(4時間足の中期線だけ、私は18本に設定しています)。両方そろえば、この波はまだ生きています。安値を切り下げてその線の下へ沈んだなら、この取引は始まる前に終わりです。私は何も失っていません。まだ一円も張っていないからです。
押し戻しは、これから走るかどうかを走り出す前に教えてくれる唯一の場所です。三つ目の派手な波を見てから動くのでは、答え合わせが済んだ後に賭けているのと同じことになります。

1時間足の仕事:ここで、私は舞台に上がる
押し戻しが耐えた。ここで初めて、1時間足を開きます。
1時間足には二つの底と、その間に挟まれた小さな山ができています(売りなら、二つの天井とその間の小さな谷です)。その小さな山を横に結んだ線が、ダブルボトムのネックラインです。私はこの線の少し上に、逆指値の買い注文を置きます。損切りは、二つの底の低いほうの下。
そして、画面を閉じます。
ここが、私にとっていちばん大きな転換でした。私は入るかどうかを決めていません。線を引いて注文を置いて、立ち去っただけです。価格がネックラインを超えれば、私は自動的に入っています。超えずに崩れれば、私は入っていません。入ることと見送ることが、同じ一つの動作になっている。だから迷う隙がありません。
昔、私が画面の前で固まっていたのは意志が弱かったからではありませんでした。その場で見て、その場で決めようとしていたからです。決定を、いちばん手が震える瞬間に置いていた。置き場所が間違っていたんです。
なぜ、仕事を分けると迷いが消えるのか
四つ並べると、こうなります。
方向を決める。いつ入るかは知らない
起点を決める。まだ何もしない
押し戻しが耐えたかを、目で確認する(推進波を演じるのはこの足。私は見るだけ)
注文を置く。そして立ち去る
昔の私が四枚に同じ質問をしていた時、四人の答えは当然のように割れました。割れて当たり前です。同じ質問をすれば、答えは割れる。そして私は、入りたい方向に賛成してくれる一枚だけを探していました。四枚開いていたのに、見ていたのは結局その一枚です。
いま、四枚は言い争いません。それぞれ別のことを聞かれているからです。方向の答えは週足にしかなく、入る場所の答えは1時間足にしかない。ぶつかりようがない。
迷いが消えた理由に、私の成長は一つも入っていません。質問を分けただけです。
起点が一段下がると、はしごごと一段ずれる
もう一つだけ足しておきます。この四段のはしごは、位置が固定ではありません。丸ごと一段、下へずらすことができます。
日足ではなく、4時間足のほうで18本の平均線と価格が寄って離れ始めた時。その時は、起点が4時間足になります。すると演じるのは1時間足になり、注文を置くのは15分足になります。役の中身はまったく同じで、担当する足が一つずつ下へずれるだけです。
前者は数週間の波を取りにいく形、後者は数日の波を取りにいく形になります。私は日によってどちらも使いますが、一つの取引の中で混ぜることだけはしません。4時間足を起点にして入ったのに日足の波が終わるまで持とうとすると、日足の波が来る前に4時間足のさざ波で刈られます。入り口と出口は、同じ段のはしごで揃えます。
今週、一つだけ試してほしいこと
長く書きましたが、今日の話は一行に畳めます。
上から順に降りる。降りきるまで、注文は出さない。
もし試していただけるなら、次のチャートで一つだけやってみてください。いつも入る前に、四行だけ書く——「週足は◯」「日足は◯(始まった/まだ)」「4時間足の押し戻しは◯(耐えた/崩れた)」「1時間足のネックラインは◯円◯銭」。四行が埋まらないうちは、注文を出さない。
たぶん、その週は入る回数が減ります。減った分は、幕が開いた瞬間に舞台へ駆け上がっていた回数です。
——ただ、これも私が言っているだけの話です。信じないでください。ご自分のチャートを四枚開いて、この四行が本当に埋まる場面がどのくらいの頻度で来るのかご自分の目で数えてみてください。数えた人にしか、この話は効きません。
書けた四行があれば、メールの返信で一行だけ教えてください。「三行目で止まりました」でも構いません。むしろどこで止まったかのほうが、私には面白い報告です。個別のお返事はしていません。でも、全部読んでいます。(受け取っていない方は、下のご案内から。)
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——三段目でいちばん大事な「二つ目の押し戻し」だけを、丸ごと一本にした話です。

——なぜ足ごとに聞くことを変えると、意見の割れが止まるのかです。

——四段目の「注文を置いて、画面を閉じる」の本編です。
四段の梯子を、実際にどの画面のどの線で確かめるのか。チャートの設定から順番まで、無料の一冊に通して書きました。

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本記事は私の経験と考え方の共有であり、特定の金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。
投資には元本を割り込む損失のリスクがあり、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。

