拡大すると、いつも同じ絵が出てきます

入る場所は、探しても見つかりませんでした。

勝てなかった頃の私は、日足のチャートを右へ左へ動かしながら「今日入れる場所」を探していました。見つからないのが当然だったと、今なら分かります。入る場所は、日足には描かれていないからです。 波を見る足と、入る瞬間が見える足は別のものでした。

今日は、私がどこで入るのかを絵にしてお見せします。用意した絵は2枚ですが、種類は1枚だけです。日足の波で入る時も、4時間足の波で入る時も、拡大した先に出てくる絵は同じだからです。

目次

波を見る足では、入り口は点にしか見えません

私が狙うのは、押し目からの再加速です。日足で言えば、短い平均線(3MA)が中期の平均線(20MA)に近づいて再び離れていく場面。平均線と価格がいったん集まってまた離れていくこの動きを、私は「収束と拡散」と呼んでいます。狙いは、その離れ際の一点です。

ただ、日足でその場所を見ても、押し目はローソク数本の塊にしか見えません。どこで下げ止まったのかも、どこを超えたら再加速なのかも、この倍率では読めない。入り口は、この画面では点なんです。

勝てなかった頃の私は、その点の中へ日足の感覚のまま入っていました。損切りも日足の幅でしか置けないので、値幅は広い。

根拠は「そろそろ上がりそう」。

いま文字にしていて、目をそらしたくなる一文です。飛行機の窓から、家の呼び鈴を探していたようなものでした。景色が間違っていたのではありません。高度が、仕事に合っていなかっただけです。

押し目の中を、1時間足まで拡大します

同じ場所を、1時間足に切り替えます。日足のローソク1本は1時間足の24本ですから、倍率で言えば24倍です。

すると、点だった押し目の中に物語が見えてきます。下げが一度止まる。少し戻して、もう一度下げる。そして二度目の下げが、前の安値を割らずに踏みとどまる。ダブルボトムです。 二つの底の間には小さな戻り高値ができていて、これがネックラインになります。

私の入り口は、価格がこのネックラインを上に抜ける瞬間です。正確に言えば、その瞬間を画面で見てすらいません。ネックラインの少し上に逆指値——その値段に届いたら自動で入る注文——を置いて、画面を閉じます。損切りは二つの底の低い方の下。1時間足の構造で測るので、値幅は小さくて済みます。

なぜネックラインを抜けると走りやすいのか。その値段の少し上には、戻りを売っていた人の損切りと、抜けを待っていた人の新規の買いが重なって置かれている——私はそう捉えているからです。線そのものに力があるわけではありません。この仕組みは『線が効くのではない。そこに人の注文が溜まっているから、効く。』に書きました。

4時間足の波でも、同じ絵が出てきます

日足ほど大きくない波もあります。4時間足で、3MAが18MAに近づいて再び離れていく場面です(4時間足の中期線だけ、私は18本に設定しています)。波の大きさは日足の数分の一ですが、私にとっては同じ狙い場です。

この波の押し目を拡大する先は、15分足です。出てくるものを先に言ってしまいます。二つの底と、その間の小さな戻り高値。同じ絵です。

波を見る足から2つ下の足に、入り口の絵が出ます。 日足の波なら1時間足。4時間足の波なら15分足。組み合わせは二つ覚えていますが、探している絵は1枚しかありません。

相場がこうなっている理由は、単純です。波の大きさが変わっても、そこでやっている人間の行動は変わらないからです。押し目で売っていた人が損切りをして、待っていた人が新しく買う。この攻防はどの大きさの波でも同じ形の跡を残します。だから絵は、倍率をまたいで繰り返されます。

絵が1枚だと、覚えることが減ります

正直に言うと、この単純さを受け入れるまでに時間がかかりました。足ごとに別の技術があると思っていたからです。日足には日足の入り方があり、15分足には15分足の入り方がある、と。教材を買い足すたびに覚えることが増えて、覚えるほど動けなくなっていきました。

今は逆です。絵は1枚。変わるのは倍率だけ。 覚えることが減ったぶん、一つの絵を確かめる目だけが深くなりました。

ただし、この絵には使っていい場所の条件があります。週足です。 週足の流れと同じ方向の波でしか、この絵を使いません。買いで狙うなら、価格が日足の20MAより上にいることも確かめます。この線に例外を作らない話は『例外を、一つも作らなかった線』に書きました。絵がどれだけ綺麗でも、週足に逆らった場所では1枚も拾いません。

もう一つ。拡大しても、ダブルボトムが描かれないことがあります。押しが止まらずにそのまま崩れていく場合や、拡大した先で戻りらしい戻りを作らず一直線に走ってしまう場合です。その時はネックラインが生まれないので、注文を置く場所がそもそもありません。絵が完成しなければ、何も起きない。 私は見送りという判断すらしていません。絵が出るのを待って、出なければそのまま忘れます。

今日の絵の要点
  • 入り口の絵は1枚だけ。二つの底と、その間の小さな戻り高値
  • 絵が出るのは、波を見る足から2つ下の足(日足→1時間足/4時間足→15分足)
  • 使うのは、週足の流れと同じ方向だけ。買いなら日足20MAの上
  • 絵が完成しなければ、何も起きない。出なければそのまま忘れる

同じ絵を、あなたのチャートで探してみてください

今日の絵を、覚えて帰らないでください。確かめて帰ってください。この絵が本当に繰り返されているかどうかは、あなたのチャートで検証できます。

STEP
日足で、押し目を一つ選ぶ

過去のチャートで、日足の上昇の途中にある押し目を一つ選んでください。

STEP
1時間足に切り替える

その区間を1時間足に切り替えて、二つの底と小さな戻り高値を探します。

STEP
4時間足の波でも、同じことを

見つかったら、今度は4時間足の波で。倍率が違うだけの同じ絵が、二枚そろうはずです。

結果は、メルマガへの返信で教えてください。記事末のご案内から無料の一冊を受け取ると、そのメルマガが届きます。件名も前置きも要りません。そろった枚数だけ書いて送ってもらえれば伝わります。一枚も見つからなかった、でも立派な報告です。どの銘柄のいつの押し目だったかを添えてもらえれば、そのまま検証の記録になります。

入る場所は、探すものではありませんでした。拡大した先に、同じ絵で待っているものでした。


次に読む

——今日の絵が生まれる前段の話です。押しの無い波に、入り口の絵は描かれません。

——絵が見えてから、注文を置いて立ち去るまでの執行の話です。

——今日出てきた足たちの分業を、1回の取引の動線として上から通した話です。

今日の絵の細部——どの線で判定して、逆指値と損切りをどこに置くのか——は、無料の一冊『たった一つの形』に全部書いてあります。

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【ご確認ください】
本記事は私の経験と考え方の共有であり、特定の金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。
投資には元本を割り込む損失のリスクがあり、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。


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この記事を書いた人

トレードの本質を語ります。聖杯も未来を言い当てる方法もありません。あるのは相場の流れを見極め、優位性が生まれるまで待ち、間違えたら撤退するという地味な積み重ねだけです。私を信じる必要はありません。すべてご自身のチャートで確かめてください。

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